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模倣の欲望 

Desire of imitation  for Soprano Saxophone and Bass Clarinet  (2023)

 ・初演 2023/10/22 三菱地所賞音楽部門 受賞記念リサイタル(丸ビルホール)にて初演。演奏時間 約9分。

  Cl.林みのり S.Sax.放生幹也

<編成>

Bs.Cl., S.Sax.

<プログラムノート>

 こんにちのSNS時代到来を予見していたかのような、フランスの哲学者ルネ・ジラール(1923-2015)が提唱したミメーシス(模倣)理論に着想を得て作曲しました。

 人間の欲望は内からわくものではなく、意識的あるいは無意識的に自分の意識している人が欲しいと思っているモノを欲する。

  つまり、何かを“欲しい”と思うのは自分に近しい他者(モデル)がそれを“欲しい”と思っていて、その他者の欲望を模倣しているにすぎないのである ― 今日における激しい競争や対立構造を生み出す、ジラールはこれを「模倣的な欲望の競争」と呼んでいます。

 ソプラノサックスとバスクラリネットの組み合わせは、同じリード楽器、音色の響きがにているB♭管という共通項がありながら演奏可能音域が異なる、という相違点も含めた聴覚的要素から選びました。

 S.Sax.に上昇型の全音階(ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド)、Bs.Cl.に装飾的なリズム・音程が加わった下降型の半音階(ド・シ・シ♭・ラ・ラ♭・ソ・ソ♭・ファ・ミ・ミ♭・レ・レ♭・ド)のテーマを与え、

それぞれの特徴となる要素を互いに取り込む(模倣する)ことで、微細にテーマが変形しながら楽曲は進行します。

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