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見えない壁 

Invisible Wall for 2 Violin,Viola and Soprano Saxophone(2024) 

 ・初演 2024/6/12  21世紀音楽の会 第21回演奏会(東京文化会館小ホール)にて初演。 

  Vn.佐藤まどか,花田和加子 Va.迫田圭 Sax. 大石将紀

 

 

<プログラムノート>

 趣味・文化の違い、言葉の微妙なニュアンスの違い…「自分」と「他者」との間にある” 距離” ー差異を知覚する人間のプロセスやコミュニケーションのあり方に興味をもっていたある時期、人類史上初の盲ろう者の大学教授となった福島智さんのことばの数々に出会いました。彼は9歳で視力を、18歳の時に完全に聴力を失いましたが、点字タイプライターを応用した「指点字」という方法によって、会話に近いコミュニケーション手段を確立しました。

 「コミュニケーションが断たれるとは、魂にとって窒息するような、飢え渇くような状態です。(中略)人は誰かと交流することによって初めて、他者の存在に“ 反射する光” として自分を見つけるんです。」

 この言葉のずっしりとした重みに胸を打たれ、今作では、ある音と周波数の異なる音とが重なった際、その差によって生じる差音を作曲上の重要なファクターとして取り込み、コミュニケーションについて音楽上で思考しました。「自分」と「他者」との間にある” 距離” が、実際に弾いている音とは別の第三の音(反射する光)= 差音として立ち現れながら、楽曲は進行してゆきます。

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